前夜を19時前に就寝したこと、また一晩中強風が吹いていたことによって1時ころには目が覚めた。3時スタートといっていた隣のAさんBさんも同じころから動き出していた。ただあまりの風の強さに同行するのが躊躇われごろごろと。で3時になってお湯を沸かし、ダージリンラテを飲むと、更に沸かしてテルモスにつめ、ツインシスターズから出た。
夜中に風にあおられサイドのニードルステイクが抜けたりしたのでテンションが低め。ヘッデンをして登山道を小屋まで戻り、水を汲む。バイク用の500mlボトル2本とイロハス500mlが1本、それに450mlはいるテルモス1本が水筒系の全容量だったけど、水場前の空きペットボトル入れの中で上のほうにイロハスがあったのでいただき水だけで2Lを運べるようになった。水を汲んでテン場に戻り撤収作業。結局4時にスタート。このころには他のテント内でも動きあり。上のテン場を通過すると、一人出発準備が整った人が。(しかし彼は僕らが山頂で一時間うろうろしている間に現れなかった。大丈夫だろうか)
ヘッデンのみが頼りのルートゆえ、最初は迷うことも多い。ここは絶壁に近い砂壁を登り始め、おかしいと思って引き返したらはしごのルートが近くにあった・・・。甲府方面の街明かりはきらきらしてましたがデジカメでは映せず。
森林限界の境界線。この辺からはルートを迷わなくなる。そして8合目付近の森林内ではビバークする人たちの幕が何張りか。
えげつない鎖場を何度か越えると、いよいよ空が近くなる。8合目の上に刺さった鉄剣ごしに鳳凰三山と富士山が。日の出が近い。急げ。
急ぎたいのに目の前に雷鳥のカップルが現れる。写真を撮りたいのに強風にあおられてブレまくり。時間を浪費する。この後山頂直下の鞍部にて先行していたAさんBさんと合流。日の出を待つことにする。ここで途中で脱いだ手袋を落としたことに気づく。すると下から一人あがってくる。Aさんのとなりにコールマンのツーリングテントを張っていたCさんだ。しかも手袋を持ってきて「これ誰か落としました?」感謝です。
ようやく始まった日の出ショー。何回撮っても上手くいかず。目にはばっちり焼き付けました。
その後山頂へ。頭に変なのかぶっているのは寒かったので手ぬぐいを代用に。ここで360度の絶景を堪能。
***
目の前の仙丈ケ岳、北岳をはじめとする南アルプスはもちろん、富士山、八ヶ岳、中央アルプス、
御嶽山、白山、乗鞍から白馬までの北アルプス、これら全部がくっきり。すばらしい!
しばらく絶景を楽しんだ後、山頂ピストンの3名は摩利支天までいくというので途中までご一緒に。
分岐で別れを告げると駒津峰へ。ここから次から次へと登山者とすれ違います。駒津峰までは
数十人。そして駒津峰から仙水峠の間では数百人!恐るべき数の人たちが次から次へと登って
きます。これらの人がみな甲斐駒ケ岳山頂を目指すかと思うと、ご来光からさっきまで4人で独占
出来たのは幸せだったなと。
仙水峠までの下りは本日のハードな行程で貴重な下りなので飛ばしたかったものの、なんせ
すれ違う人が多く、待ってばかりで結果としてほとんどコースタイムと変わらず。誤算でした。
仙水峠では休憩を取らず、すぐに栗沢山への登りに取り付きました。最初は結構なきつい登り。
ふーはー言いながら一歩ずつあがって行く途中、ソロ登山者に二人ほどすれ違い。そして登りが
緩くなるころ、樹林帯をぬけ尾根の上に出れると、栗沢山のきれいな山頂が見えるとともに、
振り返ると見事な甲斐駒ケ岳の雄姿が。
栗沢山の山頂では朝沸かしたテルモスのお湯で粉末のカフェラテを溶かし即席のコーヒー
ブレイク。こっからは甲斐駒ケ岳も仙丈ケ岳も最高の姿が眺められます。
15分ほど休んだ後、なだらかな稜線をアサヨ峰へ。岩稜帯はあったものの本日もっとも快適だった
トレイルはここ。
アサヨ峰から栗沢山と甲斐駒ケ岳を振り返る
アサヨ峰に到着すると先着して休んでた方が何名か。地元のハイカーの隣を陣取り
早めの昼食タイムとします。テルモスのお湯を沸かし直して日清カップヌードルのリフィルの
シーフードヌードルを投入。さらにしゃぶしゃぶ用餅スライスも投入。
なんだかんだで30分ほど休んでからいよいよ早川尾根へ。すぐにソロの人に二回
すれ違う。二度目の人と話しをすると僕同様に甲斐駒ケ岳方面から来ている人と
すでにすれ違って、鳳凰小屋予定だったけど早川尾根小屋に変えたらしいと聞く。
最初の腰高くらいの時は藪が酷かったけど樹林帯にはいるとすごしやすくなる。こんな感じ。
早川尾根小屋に到着。さっき聞いた甲斐駒ケ岳方面から来たふうの人は見当たらず。
そろそろ体力がやばくなってきて、コーラか何かないですか、と小屋番の方にきくと
ビールかジュースしかないとのこと。それより美味しい水があるから汲んで行きなさいと。
今回通った小屋は全て無料で美味しい水場があるのです。水を汲んで再出発。
広河原峠までは快適なトレイル。木陰で適度に風が通ったりして素晴らしい。まだ
いけそうだと思ってました。峠に到着するとベンチで死んでいる人を発見。声をかけ
るが大丈夫そう。で出発。
峠から白鳳峠を越えて登りに。少しいくと樹林帯を抜けてこれから目指す高嶺の山頂
らしきものが見えます。
登り進んでいくと、岩稜帯に入ります。
ここで、下ってきたヘロヘロな若い女性に広河原までの道を聞かれるので答える。
大丈夫だったろうか。その後に日帰りで夜叉神峠から来たトレイルランナーと会い
少しお話しをする。
高嶺の山頂に到着。左手に鳳凰三山地蔵岳の肩の部分が、正面に観音岳が見えます。
振り返ると、これまで歩いてきた早川尾根やアサヨ峰、甲斐駒ケ岳などの峰々が見えます。
実はここまでくれば鳳凰小屋はすぐだと思っていました。それで力を振り絞って登って
きたのですが、高嶺から次の赤抜沢ノ頭までが往復ともコースタイム40分というのが
平坦だからじゃなくて、行きも帰りも登り下りがあるからだ、というのがその場で発覚。
ここからつらい下り方向を見ると。降りきって地蔵岳に登りかえすあたりに一人の登山者を
発見、彼が先行者なのか、と腰をあげて進み始めます。
しかし今思い返してもこの区間は苦しかった。地蔵岳に来るまで写真を一枚もとって
ません。降りきってから登り返しはじめたところで、草陰で音がするたびにステルス幕営
している作業と勘違い。思わず隣に幕を張らせてください、と草薮に声をかけたり。人は
いませんでしたが。そうこうするうちに何とかここまで。
昨日の七丈小屋からは豆粒のようにしか見えなかった地蔵岳オベリスクが目の前です。
賽の河原まで降りるも地蔵岳に登る余裕がなく、一目散で鳳凰小屋へ。
結局鳳凰小屋到着が16時44分。日が落ちる直前でした。受付をするとテン場空いてる
かな~、と可愛いバイトのコに言われ、350mlビール缶片手に急いでテン場にいくと
確かに一杯。入り口に張りました。ここで携帯の電波が入らなくなり、ツイッタ終了。
お湯を沸かし、アルファ米を戻し無印レトルトのハッシュドビーフを温めると夕食。
その後なんとかストレッチをした後、気絶するように就寝。
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