2008年12月31日
08 12/27-28 一杯水避難小屋~大平山~浦山口
前回の記事の続きです。
朝4時過ぎ、誰か一人が起きたのに呼応して僕も目が覚める。でも寒いのでシュラフからはでない。
昨晩は快適だったので服装を変えずに寝たため就寝時は寒さに苦労した。
上=ファイントラック・スキンメッシュ半袖+ユニクロ・ヒートテック長袖+モンベル・ダウンインナージャケット
下=ノースフェイス・ダクロンボクサー+ユニクロ・ヒートテック9分丈+ファイントラック・ストームゴージュアルパインパンツ
足元=ファイントラック・アルパインソックス+マジックマウンテン・エレファントットダウンシューズ
シュラフはモンベルのU.L.S.S.#1。これをいつもの癖でジップをきちんと閉めなかったため空気が逃げまくり。
そして、その一人が薪ストーブに薪をくべたりしているのを薄らぼんやり見ていると、外で猟犬の鈴の音がする。かわいそうに主人に会えず一晩を小屋の外で過ごしたのか。
時間がたつにつれ、一人また一人と起き出し、撤収や朝食の用意を始める。鳥さんも起きたので、僕も湯を沸かし、アルファ米(ひじきと大豆入り)にお湯を注ぎます。残ったお湯でフリーズドライの味噌汁をつくり、合わせて朝食。ご飯は半分ほど残し、行動食用にわける。食後に残ったお湯を沸かしなおし、粉末のカフェラテをいただく。
そろそろ日の出が始まるころ、鳥さんが三ツドッケに登るというので案内することにする。避難小屋からの登山道を登りはじめると、猟犬が僕についてくる。まずは三の峰に上るが眺望がいまいちなので、一の峰まで案内することにするが、テクニカルな部分で転倒、足首を痛めてしまう、とほほ。今回の旅でもっともグリベル・スパイダーが欲しかった箇所だ。
日の出が完結してしまうので、一の峰まで急ぐ。やがて遅れて鳥さんも。朝焼けから朝に変わる中、本日も素晴らしい眺望を鳥さんに見てもらう。ただし昨日と違って雲が出ている。
一の峰からは七跳山方面の縦走路に向かって下山。鳥さんもだいぶストックになれたようで快調だ。縦走路に戻ってから避難小屋までの道はおおむね平坦か下りなので更に快調そう。
7時40分ころ、避難小屋に戻ると、残りの全員がすでに旅立ってしまっていた。鳥さんが別のルートで行くというので、七跳山方面に向かう僕を見送ってくれた。
グリベル・スパイダーを装着し避難小屋を出ると、猟犬が僕についてくる。おいおい、計7名もいたのに僕を選ぶのかい。これから一般登山道を外れてしまうんだぞ、と問いかけみても判るはずもない。
気温零下の中、少しずつ標高をあげながら七跳山に向かうと、途中に木道がありアイスになった上に雪が覆っていてスパイダーのままでは滑りそうで怖く外したり付け直したりして、木道区間をクリアする。
コースタイム80分のところ、55分で七跳山の東鞍部に到着。ここからは猟犬の足跡と同じサイズのトレースをたどりながら山頂へ。途中からスズダケが道を遮り、手や体で払い、あるいは雪に手をつきながら進み、約10分で山頂に到着。
すると、ここからは人の足跡を発見。これを頼りに大平山方面へと進む。
この足跡、よくみると傍に小さな足跡が平行している。どうやらハイカーではなく、猟師と猟犬の足跡のようだ。僕にずっとついてきた猟犬もついに主人か仲間の匂いをつきとめたのか、大きく吼えた後、秩父側に向かって駆け出していった。
さて僕に戻る。大平山に向かって七跳山山頂から稜線が東に伸びているのですが、ここも幕営によさげ。この辺は藪も濃くなく、きっと快適な夜を過ごせるに違いない。
と思いながら東に足を進めるもトレースを見失う。そして更に東は切り立ったように落ち込んでいて今の僕には下れそうも無い。さてどうしたことかと案じると、来た道すがら右手に広葉樹が点在するなだらかな斜面があったのを思い出し、その方面へ戻ると、どうやら例の猟犬もこのルートのようで新しいワンコサイズのトレースがあった。
だがこのルートも最初はよかったものの、沢筋だったようで、だんだん斜度が強くなり、また岩のガレバに雪が積もっていたので、雪で見えない下の足元が不安定で、何度も転倒を強いられ、そのままシリセードしたりもした。
もつれながら、なんとか林道に到着。この標高1500mオーバー地点は、一面の雪で車両も入りようがないため、ここでの幕営も十分可能だろう。
さて、林道におりるために大平山方面から逸れてしまったので林道を登り大平山に向かう。すると雪に血が舞っていたので猟犬が怪我をしたか肉球を痛めたか?と思ったら、その先に仕留められた大きな鹿が倒れていた。
この時ふと足元を見るとグリベル・スパイダーが無い! おそらく林道に降りる途中で転倒を繰り返している最中に外れてしまったのだろう。だがとても戻る気持ちにはなれず、そのまま進むことにする。
すぐに七跳山と大平山の間の大平山のくびれに到着。ついてみれば七跳山からの下山ルートは一目瞭然。地図を見直して愕然とする。ほんの少し北側に目を向ければ苦労することないルートがあったのだ。
といっても詮方ないので大平山に上ることにする。ここまで七跳山の山頂から30分以上も費やしている。確実に20分以上ロスしているのだ。
大平山山頂へのルートには、また猟師と猟犬と思われるトレースがついている。ここから山頂まではイージーだった。10分かからずに到達。とまらずにそのまま進む。
同様にイージーだったのは1469m峰まで、ここから藪がこくなり先人の跡をトレースするのが難しくなり藪を避けては戻ったり、無理やり道を切り開いたりする。
<<続く>>
北の大ドッケに向けた尾根から東に方向を変え、1275m峰へ。途中で道をロストしたのに気づかず、えらい藪に突入し急坂を下る。気づくと明らかにそこは尾根ではなく、藪を逆戻り。ほどなく通り道らしきルートを見つけ、たどると1275m峰に。
ここも気持ちよい平坦が広がっているが、いかんせん今は雪の中だ。そのまま通過し、1100m地点もまた平坦となっていたが、北東に主尾根が流れるところを南東に向かう。やせ尾根を進むと、ついに待望の985m地点に到達。
そこは広葉樹林の雑木林で、きれいに葉が落ちふかふかの落ち葉が積もり、広さは軽くサッカー場が作れるくらいだ。南の切り立った谷には針葉樹林が植わっていて谷からの風を防いでいてくれる。
これなら200張りのテントを張っても余裕だろう!とうきうきしながらど真ん中でバックを降ろし、湯を入れたテルモスでチャイを入れ、朝の残りのご飯を食べる。
10分ほど休憩した後、下山を開始する。南東に進みうっそうとした針葉樹林にはいると、一気に斜度がきつくなる。いくつもの枝尾根と谷が折り重なる中、厳しい尾根を折り続けると30分ほどで林道が見えてきた。この25000分の1の地図でいうと細久保谷の”細”の字のところに林道への降り口を見つけた。普通の人はここから上ろうとは思わないだろう。あの985m地点は上からも厳しく、下からも厳しい、苦労した人だけが到達できる桃源郷なのだ、ここでいくら書いたところで大勢の人が押し寄せるとは思えない。
林道に降り立ち、そこから町までは走る。途中何箇所か沢水が出ているところがあったので水を汲み、また走る。
やがて民家が見えてきて、舗装路となると、バス停が正面に見えた。が到着すると既に11時44分となっていて、バスは11時30分に出てしまっている。次のバスは午後2時30分までない・・・
あの985m地点での休憩がなければ間に合っていたかも・・・と思いつつ、そこが目的だったのだから仕方が無いと自分に言い聞かせ、西武秩父鉄道浦山口駅までの10kmを走ることに。
が10kmは長かった。最初の2kmくらいで走るのを断念。とぼとぼ歩くことにする。浦山ダム沿いを歩くことになるのですが、これが長いのだ。
途中、道路脇の斜面をニホンザルの親子が悠然と歩いたり、猟師さんが猟犬を呼び戻していたり、道の反対側に見事な滝があったり、と眺めていると、自動販売機があったので、クリームたっぷりエスプレッソを買い求めた。
暖かくまた甘いそのエスプレッソを一気に飲み干すと、ちょっと元気がでてピッチが速くなる。
そこから1kmくらいでまた自動販売機があった。そこで前の販売機で悩んだコカコーラ500mlを買い求める。いつもは疲れたあとのコカコーラはビールより美味なものであったのが、疲れすぎたのか美味しくない。いくら飲んでも薬品の味しかしないのですが、コーラとは長い付き合いなので文句を言わず歩きながら500mlを飲み干す。
歩き始めてから1時間20分ほどしてダムを通り過ぎた後、ついに秩父盆地を一望できる場所までくると、目の前の秩父の街の後ろに幾重にも尾根が連なり、そのはるか後方に、その山容でひとめで同定できる両神山が聳え立っていた。見た瞬間に、あの山をこの厳しい冬の間にぜひ登ってみたい!とがらにも無いことを思いながら駅までの歩みをすすめ、20分ほどでついに駅前に到着。
その手前の7/11でフライドチキンとメンチカツと発泡酒を買い求め、駅で切符を買い、ようやく今回の旅程を終えることが出来たのでした。
*正確なルートは、そのうちどっからの地図を借用して作成します。
*装備リストは、そのうちまとめます。
朝4時過ぎ、誰か一人が起きたのに呼応して僕も目が覚める。でも寒いのでシュラフからはでない。
昨晩は快適だったので服装を変えずに寝たため就寝時は寒さに苦労した。
上=ファイントラック・スキンメッシュ半袖+ユニクロ・ヒートテック長袖+モンベル・ダウンインナージャケット
下=ノースフェイス・ダクロンボクサー+ユニクロ・ヒートテック9分丈+ファイントラック・ストームゴージュアルパインパンツ
足元=ファイントラック・アルパインソックス+マジックマウンテン・エレファントットダウンシューズ
シュラフはモンベルのU.L.S.S.#1。これをいつもの癖でジップをきちんと閉めなかったため空気が逃げまくり。
そして、その一人が薪ストーブに薪をくべたりしているのを薄らぼんやり見ていると、外で猟犬の鈴の音がする。かわいそうに主人に会えず一晩を小屋の外で過ごしたのか。
時間がたつにつれ、一人また一人と起き出し、撤収や朝食の用意を始める。鳥さんも起きたので、僕も湯を沸かし、アルファ米(ひじきと大豆入り)にお湯を注ぎます。残ったお湯でフリーズドライの味噌汁をつくり、合わせて朝食。ご飯は半分ほど残し、行動食用にわける。食後に残ったお湯を沸かしなおし、粉末のカフェラテをいただく。
そろそろ日の出が始まるころ、鳥さんが三ツドッケに登るというので案内することにする。避難小屋からの登山道を登りはじめると、猟犬が僕についてくる。まずは三の峰に上るが眺望がいまいちなので、一の峰まで案内することにするが、テクニカルな部分で転倒、足首を痛めてしまう、とほほ。今回の旅でもっともグリベル・スパイダーが欲しかった箇所だ。
日の出が完結してしまうので、一の峰まで急ぐ。やがて遅れて鳥さんも。朝焼けから朝に変わる中、本日も素晴らしい眺望を鳥さんに見てもらう。ただし昨日と違って雲が出ている。
一の峰からは七跳山方面の縦走路に向かって下山。鳥さんもだいぶストックになれたようで快調だ。縦走路に戻ってから避難小屋までの道はおおむね平坦か下りなので更に快調そう。
7時40分ころ、避難小屋に戻ると、残りの全員がすでに旅立ってしまっていた。鳥さんが別のルートで行くというので、七跳山方面に向かう僕を見送ってくれた。
グリベル・スパイダーを装着し避難小屋を出ると、猟犬が僕についてくる。おいおい、計7名もいたのに僕を選ぶのかい。これから一般登山道を外れてしまうんだぞ、と問いかけみても判るはずもない。
気温零下の中、少しずつ標高をあげながら七跳山に向かうと、途中に木道がありアイスになった上に雪が覆っていてスパイダーのままでは滑りそうで怖く外したり付け直したりして、木道区間をクリアする。
コースタイム80分のところ、55分で七跳山の東鞍部に到着。ここからは猟犬の足跡と同じサイズのトレースをたどりながら山頂へ。途中からスズダケが道を遮り、手や体で払い、あるいは雪に手をつきながら進み、約10分で山頂に到着。
すると、ここからは人の足跡を発見。これを頼りに大平山方面へと進む。
この足跡、よくみると傍に小さな足跡が平行している。どうやらハイカーではなく、猟師と猟犬の足跡のようだ。僕にずっとついてきた猟犬もついに主人か仲間の匂いをつきとめたのか、大きく吼えた後、秩父側に向かって駆け出していった。
さて僕に戻る。大平山に向かって七跳山山頂から稜線が東に伸びているのですが、ここも幕営によさげ。この辺は藪も濃くなく、きっと快適な夜を過ごせるに違いない。
と思いながら東に足を進めるもトレースを見失う。そして更に東は切り立ったように落ち込んでいて今の僕には下れそうも無い。さてどうしたことかと案じると、来た道すがら右手に広葉樹が点在するなだらかな斜面があったのを思い出し、その方面へ戻ると、どうやら例の猟犬もこのルートのようで新しいワンコサイズのトレースがあった。
だがこのルートも最初はよかったものの、沢筋だったようで、だんだん斜度が強くなり、また岩のガレバに雪が積もっていたので、雪で見えない下の足元が不安定で、何度も転倒を強いられ、そのままシリセードしたりもした。
もつれながら、なんとか林道に到着。この標高1500mオーバー地点は、一面の雪で車両も入りようがないため、ここでの幕営も十分可能だろう。
さて、林道におりるために大平山方面から逸れてしまったので林道を登り大平山に向かう。すると雪に血が舞っていたので猟犬が怪我をしたか肉球を痛めたか?と思ったら、その先に仕留められた大きな鹿が倒れていた。
この時ふと足元を見るとグリベル・スパイダーが無い! おそらく林道に降りる途中で転倒を繰り返している最中に外れてしまったのだろう。だがとても戻る気持ちにはなれず、そのまま進むことにする。
すぐに七跳山と大平山の間の大平山のくびれに到着。ついてみれば七跳山からの下山ルートは一目瞭然。地図を見直して愕然とする。ほんの少し北側に目を向ければ苦労することないルートがあったのだ。
といっても詮方ないので大平山に上ることにする。ここまで七跳山の山頂から30分以上も費やしている。確実に20分以上ロスしているのだ。
大平山山頂へのルートには、また猟師と猟犬と思われるトレースがついている。ここから山頂まではイージーだった。10分かからずに到達。とまらずにそのまま進む。
同様にイージーだったのは1469m峰まで、ここから藪がこくなり先人の跡をトレースするのが難しくなり藪を避けては戻ったり、無理やり道を切り開いたりする。
<<続く>>
北の大ドッケに向けた尾根から東に方向を変え、1275m峰へ。途中で道をロストしたのに気づかず、えらい藪に突入し急坂を下る。気づくと明らかにそこは尾根ではなく、藪を逆戻り。ほどなく通り道らしきルートを見つけ、たどると1275m峰に。
ここも気持ちよい平坦が広がっているが、いかんせん今は雪の中だ。そのまま通過し、1100m地点もまた平坦となっていたが、北東に主尾根が流れるところを南東に向かう。やせ尾根を進むと、ついに待望の985m地点に到達。
そこは広葉樹林の雑木林で、きれいに葉が落ちふかふかの落ち葉が積もり、広さは軽くサッカー場が作れるくらいだ。南の切り立った谷には針葉樹林が植わっていて谷からの風を防いでいてくれる。
これなら200張りのテントを張っても余裕だろう!とうきうきしながらど真ん中でバックを降ろし、湯を入れたテルモスでチャイを入れ、朝の残りのご飯を食べる。
10分ほど休憩した後、下山を開始する。南東に進みうっそうとした針葉樹林にはいると、一気に斜度がきつくなる。いくつもの枝尾根と谷が折り重なる中、厳しい尾根を折り続けると30分ほどで林道が見えてきた。この25000分の1の地図でいうと細久保谷の”細”の字のところに林道への降り口を見つけた。普通の人はここから上ろうとは思わないだろう。あの985m地点は上からも厳しく、下からも厳しい、苦労した人だけが到達できる桃源郷なのだ、ここでいくら書いたところで大勢の人が押し寄せるとは思えない。
林道に降り立ち、そこから町までは走る。途中何箇所か沢水が出ているところがあったので水を汲み、また走る。
やがて民家が見えてきて、舗装路となると、バス停が正面に見えた。が到着すると既に11時44分となっていて、バスは11時30分に出てしまっている。次のバスは午後2時30分までない・・・
あの985m地点での休憩がなければ間に合っていたかも・・・と思いつつ、そこが目的だったのだから仕方が無いと自分に言い聞かせ、西武秩父鉄道浦山口駅までの10kmを走ることに。
が10kmは長かった。最初の2kmくらいで走るのを断念。とぼとぼ歩くことにする。浦山ダム沿いを歩くことになるのですが、これが長いのだ。
途中、道路脇の斜面をニホンザルの親子が悠然と歩いたり、猟師さんが猟犬を呼び戻していたり、道の反対側に見事な滝があったり、と眺めていると、自動販売機があったので、クリームたっぷりエスプレッソを買い求めた。
暖かくまた甘いそのエスプレッソを一気に飲み干すと、ちょっと元気がでてピッチが速くなる。
そこから1kmくらいでまた自動販売機があった。そこで前の販売機で悩んだコカコーラ500mlを買い求める。いつもは疲れたあとのコカコーラはビールより美味なものであったのが、疲れすぎたのか美味しくない。いくら飲んでも薬品の味しかしないのですが、コーラとは長い付き合いなので文句を言わず歩きながら500mlを飲み干す。
歩き始めてから1時間20分ほどしてダムを通り過ぎた後、ついに秩父盆地を一望できる場所までくると、目の前の秩父の街の後ろに幾重にも尾根が連なり、そのはるか後方に、その山容でひとめで同定できる両神山が聳え立っていた。見た瞬間に、あの山をこの厳しい冬の間にぜひ登ってみたい!とがらにも無いことを思いながら駅までの歩みをすすめ、20分ほどでついに駅前に到着。
その手前の7/11でフライドチキンとメンチカツと発泡酒を買い求め、駅で切符を買い、ようやく今回の旅程を終えることが出来たのでした。
*正確なルートは、そのうちどっからの地図を借用して作成します。
*装備リストは、そのうちまとめます。